貿易ニュース 8月2010年

25/08/10 輸入コストの上昇で豪産羊肉の日本向け輸出が減少
25/08/10 中国で豪産ワインのコピー商品が出回り、豪ワイン業界にダメージ
25/08/10 デンマークに大量の有毒化学薬品の廃棄物を輸出 − オリカ社
25/08/10 エサの穀物価格の上昇で牛肉の販売が不可能−クイーンズランド州
25/08/10 豪産ピーチの台湾への輸出が6年ぶりに再開
25/08/10 偽装シャルドネ・ワインを販売して有罪 − 南オーストラリア州
18/08/10 世界的なアパレルメーカーのザラが豪州で初めて店舗をオープン
18/08/10 7月の豪産牛肉の日本向け輸出が回復
18/08/10 来月から「オーストラリア産シャンペン」の表示は違法に
18/08/10 豪州での自動車メーカーの満足度トップはスバル − 調査会社
18/08/10 輸入野菜の増加で、オーストラリアの野菜生産量が5.9%減少
18/08/10 今年1-7月の新車販売台数は前年より14%増−ニュージーランド
11/08/10 6万頭の野生のラクダを駆除 − 北部準州
11/08/10 NZ産りんごに対するWTOの裁定を不服として上訴−オーストラリア
11/08/10 毒物混入事件でトマトの価格が3倍に − クイーンズランド州
11/08/10 自動車と鉱山が不振で昨年度の輸出額が15%減−南オーストラリア州
11/08/10 7月の豪州の新車自動車販売台数はSUVが好調で9.3%増
11/08/10 パレスチナへの人道支援の豪産ラム肉が違法にイスラエルに譲渡
04/08/10 ミナミマグロ業界は以前の漁獲割り当て枠の回復に自信 − SA州
04/08/10 豪大手スーパーによる新しい豚肉購買基準を非難−豪豚肉団体
04/08/10 羊のミュールジング処理の申告義務化に反対 − WAFF
04/08/10 NSW州政府に厳格な牛肉のラベル表示を要請 − 豪牛肉協会
04/08/10 使用禁止の殺虫剤がNZ産の果物や野菜から発見−ニュージーランド

                                                                 

08月25日2010年 輸入コストの上昇で豪産羊肉の日本向け輸出が減少
  オーストラリア産羊肉(特にラム)対する日本市場の需要は、豪ドル高と輸入コストの上昇とともに、消費者の支出抑制で否定的な影響を受けている。 
  日本は今年1月から6月の間に1万1,112トンの羊肉を海外から輸入しており、前年同期と比べて28%減少している。 そのうち、オーストラリアからの輸入は前年同期比37%減の6,361トンとなり、全輸入量の57%を占めている。 一方、ニュージーランド産羊肉は、前年同期比11%減の4,744トンとなっているが、マーケットシェアは前年同期の35%から43%と増加している。 
  オーストラリアからも、ニュージーランドからも輸入コストは前年と比べて上昇している。 しかし、特にオーストラリアからは、1-6月の間に豪ドルがUSドルに対して26%高くなっており、またオーストラリアの家畜価格の上昇で、オーストラリア産羊肉の平均価格が、昨年より46%上がって664円/kg (CIF)となった。 それと比べて、ニュージーランド産羊肉の価格は、昨年より17%上がって472円/kg.となっている。 7月はオーストラリアは日本へ796トンの羊肉を輸出し、前年同月と比べて9トン上回った。 (Source: MLA, 19/08/10 "Sheepmeat to Japan hamstrung by higher import costs ")
08月25日2010年 中国で豪産ワインのコピー商品が出回り、豪ワイン業界にダメージ

  偽造されたオーストラリア産ワインが中国で発見され、オーストラリアのワイン業界にとって1億4,300万ドルの中国市場が脅威に晒されている。 
  中国企業が世界的に有名なペンフォールド社などのオーストラリア・ワインを模造して、その低品質ワインを中国のトレード・ショウや小売店を通じて販売している。 オーストラリアの大手生産者のワインだけが模造されているのではなく、小さな生産者も模造品の犠牲になっている。 
  Flinders Run社のエマニュエル・スコーポス氏は、同氏のワインが模造されていると聞いて今月中国を訪れた。 彼は広東省深川のワインショップに行き、彼のブランドの「Kieras Bin 05 2008 merlot」を2瓶購入した。 このワインはオーストラリアで成分の分析を行なっているが、店員の話を聞いて驚いた。 店員は、「ほかのワインでもこのブランド名で、大量に売ることができるよ」と教えてくれた。 彼のワインやほかの生産者のワインが、このような不正によってすでに販売に影響を受けていると感じた。 スコーポス氏は、「オーストラリアにとって主要なワイン輸出市場である中国で、オーストラリア・ワインのイメージを損ねるようなこのような行為は、『自分が生産したワインが模造された』ということより大きな問題である。 オーストラリア政府による何らかの対応が必要となっている」と話した。 
  中国はオーストラリアにとって、最も急成長しているワイン輸出市場で、2004年から輸出量が年間84%づつ増えており、昨年度は瓶詰めのワインが2,100万リットル、バルク・ワインが2,350万リットル輸出されている。
 
  オーストラリア・ワイン・ブランデー公社のスティーブ・ガイ氏は、「このような問題は承知しており、それを否定しない。 しかし、行動を起すには証拠が必要である。 もし、オーストラリア産ワインと表示したワインがオーストラリア産以外のものであれば、我々公社の問題である。 しかし、模造や商標権の侵害などは個々の企業が解決するものである」と話した。 
  おそらく、高級ワインのペンフォールド(Penfolds)社が一番の犠牲者で、中国のワイン生産業者Grange社が、''Benfolds'' と表示したワインを販売しており、「オーストラリアのワインは、今年初めに中国でのトレード・ショウで見たことがある」としている。 
  中国にあるオーストラリアのワイン販売会社The Wine Republic,社のゼネラル・マネージャー代理のマット・バヘン氏は、「ペンフォールド社のワイン”Penfolds 888”(中国では8がラッキーナンバー)が、中国ではPをBに替えて”Benfolds 888”として売られているのを見たことがある」と話した。(Source: SMH, 24/08/10 "Grape rort of China leaves a bitter aftertaste")

08月25日2010年 デンマークに大量の有毒化学薬品の廃棄物を輸出 − オリカ社
  多国籍化学薬品企業のオリカ(Orica)社は、有毒なヘキサクロロベンゼン(HCB : Hexachlorobenzene)の廃物の一部を、連邦政府ピーター・ギャレット環境保護大臣の輸出ライセンスを取得してデンマークに輸出し始める。 
  今回の輸出ライセンスは12ヶ月間有効で、同社が1990年代から25年間溜めていたHCBの廃物やHCBに汚染された物資の総重量1万5,000トンのうち6,100トンを輸出することが出来る。 このHCBの廃物は、プラスチックや溶剤の製造過程で発生したものや、ドライクリーニングの溶剤として使われたものである。 デンマーク政府はこの廃物の輸入を今年6月に許可しており、それらは同国で焼却処分される。 ギャレット環境保護大臣は、「オーストラリアにはこれらの廃物を処理する施設がない」としてデンマークへの輸出を認めた。 
  オリカ(Orica)社のジョン・フェッター広報担当は、「デンマークへの廃物の船積みは今年末から始める。 
12ヶ月間で当社が保有している廃物をすべて送ることが出来ないので、再度輸出ライセンスを申請することになるだろう」と話した。 (Source: T&L News, 19/08/10 "Toxic waste shipments from Port Botany to Denmark get green light")
08月25日2010年 エサの穀物価格の上昇で牛肉の販売が不可能−クイーンズランド州

  オーストラリアの大手食肉牛の生産者は、この2週間牛肉を売るのがほとんど不可能に近いとしている。 
  過去1ヶ月間、小麦市場は大変不安定で、北半球の穀物価格が大荒れしていることを懸念しており、牛の飼育業者は厳しい状況に直面している。 
  クイーンズランド州の食肉牛の生産者McDonald Holdings社は、年間生産する17万頭の牛のうち約90%を同社のDarling Downsにある飼育場に送り、そこでソルガム(モロコシ)と小麦を50対50の比率で合わせたエサを100日間与えて飼育している。 
  同社のザンダ・マクドナルド氏は、「穀物価格が不安定で、牛1頭当たりのエサ代が毎日40セントづつ上がっている。 これにより牛や牛肉の価格が上昇し、主要な顧客である日本や韓国へ販売するのが困難となっている。 日本や韓国の輸入業者は、景気後退や為替レートの問題を背景に、牛肉を出来るだけ安く買って彼ら自身の生き残りを模索している。 彼らが安い牛肉を探している時に、オーストラリアで牛の飼育費が上昇していると説明しても話しにならない。 我々は毎日、価格を引き上げることにあらゆる努力をしたり、また価格は無視して売ることだけに集中していることもある」と話した。 (Source: ABC, 19/08/10 "Impossible to sell product: McDonald")

08月25日2010年 豪産ピーチの台湾への輸出が6年ぶりに再開

  オーストラリアのピーチやネクタリンの生産者は、利益率が高い台湾市場への輸出再開を喜んでいる。 オーストラリアの生産者は、6年前バイオセキュリティーの懸念から台湾市場への輸出が禁止され、それ以来輸出再開の交渉を続けてきた。 
  ストーン・フルーツ(核果)の業界団体サマーフルーツ・オーストラリアのイアン・マックアリスター氏は、「オーストラリアの生産者にとって台湾は3,000万ドルの輸出市場である。 今回のニュースは、我々の業界で少なくとも過去1年間で最も素晴らしいニュースである。 現在、新しい輸出市場の開拓に迫られているところであった」と話した。 (Source: ABC, 19/08/10 "Taiwan peach market reopens at last")

08月25日2010年 偽装シャルドネ・ワインを販売して有罪 − 南オーストラリア州

  南オーストラリア州のワイン生産者が、2003年にサルタナ(Sultana)種のブドウで作ったワインをシャルドネとして販売した罪で、35万豪ドルの罰金を科せられた。 
  アデレード地域裁判所は、ワイン業界の信頼性に多大な損失を与えたとして、Rivers Wines社のアンドリュウ・アーソイ・ハシム社長に有罪判決を言い渡した。 
  オーストラリア・ワイン・ブランデー公社のスティーブ・ガイ氏は、「このような大掛かりなワイン偽装は今までに見たことがない。 今回のことで、オーストラリア・ワイン・ブランデー公社とワイン業界は規則の厳格化に真剣になって取り組む。 オーストラリアはワインの品質だけでなく信頼性に高い評価を受けている。 しかし、今回の件はその評価を汚すものでる」と話した。 (Source: ABC, 18/08/10 "Fine for wine fraud")

08月18日2010年 世界的なアパレルメーカーのザラが豪州で初めて店舗をオープン
  スペインのアパレルメーカーのザラ (Zara) が2011年に、オーストラリアで第一号店となる総売り場面積1.830uの店舗をシドニーにオープンさせる。 
  ザラは流行の最先端をゆく世界で有名なファッション・ブランドで、世界74ヶ国に1,600の店舗があり、2009年度の売り上げが約70億ユーロ(100億豪ドル)となっている。 ザラが年間に販売する衣料シリーズは1万2,000点から1万5,000点の間で、オーストラリアのファッション小売店を大きく上回っている。 北半球のスペインに本社や工場がある同社は、季節が反対の南半球のオーストラリアでの販売に大きな影響があると見ておらず、すでにアルゼンチン、チリ、ウルグアイなどの南半球に店舗の展開をしている。 (Source: News Ltd. 07/08/10 "Zara will open first store at Westfield's Pitt Street Mall centre in Sydney")
08月18日2010年 7月の豪産牛肉の日本向け輸出が回復
  オーストラリア産牛肉の日本向け輸出は過去2ヶ月間前年を大きく下回っていたが、7月になって輸出量が3万2,338トンで前年同月比493トン(2%)減となり.回復に向かっている。 
  5月と6月の日本への輸出は、ゴールデンウィークでの需要が予想より落ちたことや輸入業者の買い控えにより、5月が前年同月比10%減、6月が同14%減となっていた。 しかし、7月になって需要が回復し、日本の輸入業者は、オーストラリア産の冷凍牛肉に焦点を当て、7月のグラス・フェッド(牧草飼育)とグレイン・フェッド(穀物飼育)を合わせた冷凍牛肉の輸出量が1万7,831トンとなり前年同月と比べて4%増えた。 一方、高級部位が多い冷蔵牛肉は、競争の激化で前年同月比で8%減少した。 (Source: MLA, 06/08/10 "Beef exports to Japan improve")
08月18日2010年 来月から「オーストラリア産シャンペン」の表示は違法に

  ”オーストラリアのシャンペン”と表示することが来月から違法となる。 
  業界団体オーストラリア・ワイン・ブランデー公社の規則が9月1日から変更になり、ヨーロッパ産ワインに使われている”バーガンディー”、”エルミタージュ”、”シャンパーニュ方式”などとともに、”シャンペン”もオーストラリア産ワインに表示できなくなり、マーケティングにも使用を禁止されることになる。 
  ワイン専門家のウィル・テイラー氏は、「今回の変更は、すでにオーストラリア産ワインの認識が進んでおり、オーストラリアのワイン業界には良い事である。 タスマニア産ワイン、マーガレット・リバーワイン、クーナワラ・ワインなどはフランスの名前を使わすに、すでにオーストラリアの名前を使っており前向きに対処している。 しかし、一部のワインメーカーはマーケティングの際に使用する言葉に気をつけなければならず、禁止されている言葉は削除する必要がある」と話した。 (Source: ABC, 04/08/10 "Australian wineries prepare for champagne finish")

08月18日2010年 豪州での自動車メーカーの満足度トップはスバル − 調査会社
  昨日発表されたレポートによると、オーストラリア人が友達に購買を勧める自動車メーカーはスバルで、地元で人気のあるホールデンやフォードの顧客満足度はスバルを大幅に下回っている。 
  ブリスベンにあるコンサルティング会社Engaged Marketing社が自動車を所有する1,720人に、過去に所有した自動車の経験を調査したところ、スバルが顧客満足度で全体の35%の人たちの支持を受けてトップとなり、友人や同僚に勧める自動車メーカーとして2位のホンダ(19%)の約2倍、3位のトヨタ(13%)を大幅に上回っている。 オーストラリアでの自動車販売台数トップ3社の中にホールデンとフォードが入っているが、顧客満足度はホールデンは‐3%、フォードは‐13%とマイナス評価となっている。 ホールデンやフォードの自動車を以前所有していた人たちは、より否定的なコメントをしている。 三菱自動車は‐18%であった。 
  Engaged Marketing社のクリス・ロバーツ社長は、「基本に戻って、顧客の満足度に焦点を当てることが今までになく必要とされている」と話した。 今回の調査では、家族や友人からのアドバイスが自動車を購入する際の大きな決め手になるとし、自動車所有者の45%は価格やマーケティングよりも口コミの方が説得力があるとしている。 (Source: The Age, 04/08/10 "Subaru tops poll for satisfied customers")
08月18日2010年 輸入野菜の増加で、オーストラリアの野菜生産量が5.9%減少
  輸入野菜が増え、オーストラリアの野菜の生産量が5.9%減少している。 オーストラリアの野菜生産者9,000社が加盟する業界最大の団体は、オーストラリア統計局による2008/09年度の統計を基に、輸入野菜が増加することによるオーストラリアの生産者の問題を指摘した。 
  業界団体AUSVEGのアンドリュウ・ホワイト広報担当は、「過去5年間以上、消費者は安い輸入冬野菜を買っている。 輸入野菜との競争が激しくなり、オーストラリアの野菜生産量が減少していることを懸念している。 オーストラリアの生産者たちは、海外の安いコストや労働力によって生産される野菜により、市場から締め出されることになる。 しかし、重要なことは、海外で生産される野菜がオーストラリアと同じ品質管理が行き届いた生産方法で作られていることが保証されていないことである。 オーストラリアの消費者がオーストラリアの生産者や農業経済を支えていくことが重要で、特にオーストラリア産野菜の今の価格は大変競争力がある」と話した。 
  オーストラリアのピーマンの生産量は16.7%、ジャガイモは15.8%、スイカは13.8%とそれぞれ前年より減少している。 2008/09年度のオーストラリアの野菜の作付け面積も前年度より4%減少している。 (Source: AAP, 12/08/10 "Vegetable production falls 5.9 per cent")
08月18日2010年 今年1-7月の新車販売台数は前年より14%増−ニュージーランド

  ニュージーランド運輸局(NZTA: New Zealand Transport Authority)の7月の新車自動車登録統計によると、今年1月から7月までの新車自動車の登録台数の累計は、前年同期より14%増加している。 7月だけを見ると、新車乗用車の登録台数は4,446台で、前年同月と比べて27台減っているが、新車商用車は1,551台で、前年同月より11%増加している。 
  ニュージーランド自動車産業協会(MIANZ)のカーCEOは、「今年に入って6ヶ月間、新車販売台数が伸び続けており、7月に少し一休みになったことには驚かない。 今年1月から7月までの新車自動車販売台数の3万4,728台は、我々の予想を上回っている」と話した。 
  7月のメーカー別の新車乗用車の販売(登録)台数の1位はトヨタで668台、2位はフォードの502台、3位はホールデンの441台。 今年1-7月の累計では、トヨタが5,896台、ホールデンが3,663台、フォードが3,465台となっている。 7月の新車商用車は、1位がトヨタの363台、2位がフォードの264台、3位が日産の263台となり、今年に入ってからの累計は、トヨタが3,486台、フォードが1,546台、日産が1,360台となっている。 .
  7月のモデル別の新車乗用車の販売台数の1位はフォード”ファルコン”の210台、2位はトヨタ”カローラ”の181台、3位はマツダ”3"の164台。 新車商用車は、1位が日産”ナバラ”で261台、2位はトヨタ”ハイラックス”の241台となっている。 (Source: MIANZ, 05/08/10 "New Vehicle Market Up 14% Year to Date")

08月11日2010年 6万頭の野生のラクダを駆除 − 北部準州

  北部準州政府は、来年7月までに中央オーストラリアにいる野生のラクダをさらに6万頭駆除すると発表した。 
  同政府のカール・ハンプトン環境相は、「今年の6月から、北部準州に30万頭生息しているとされている野生のラクダ2,000頭を空からの発砲によって駆除してきた。 駆除しなければ今後10年以内にはその数が2倍になる。 野生のラクダは自然の植物や湿地を荒らし、牧草地や郊外のインフラに多大な被害をもたらし、大量の温室効果ガスを出す。 そして、先住民であるアボリジニの人々にとって聖なる場所や食べ物の採集地に被害を与える」と話した。 (Source: ABC, 05/80/10 "NT plans to kill 60,000 feral camels")

08月11日2010年 NZ産りんごに対するWTOの裁定を不服として上訴 − オーストラリア
  オーストラリアは、ニュージーランド産りんごに対する厳しい輸入規制を不当であると裁定した世界貿易機関(WTO:World Trade Organization)に抗議することにしている。 
  WTOの独立した調停委員からなる委員会はオーストラリアに対して、現在の不整合な措置を責任あるものにするように求めた。 
  しかし、オーストラリアのトニー・バーク農業相は、「オーストラリアは今回の裁定について、WTOの上級委員会に上訴する。 WTOの委員会が、ニュージーランド産りんごに対するオーストラリアの輸入条件の根拠になっている輸入リスクの分析を科学的根拠がないと判断し、その輸入条件を不当としていることに失望している。 それらの輸入条件は、ニュージーランド産りんごの火傷病癌腫病などの病気に対する検疫リスクを狙ったものである。 我々はWTOの委員会の裁定に抗議する適切な根拠がある。 上訴の結果が出るまで、現在のニュージーランド産りんごへの輸入条件は維持する」と話した。 
  オーストラリアは1920年代からニュージーラン産のりんごの輸入禁止を行なっていたが、2007年に解禁した。 しかし、ニュージーランド側は、「オーストラリアの輸入条件が厳しすぎて、輸出しても利益が出ない」と非難していた。 (Source: AAP, 10/08/10 "Aust to appeal NZ apple decision")
08月11日2010年 毒物混入事件でトマトの価格が3倍に − クイーンズランド州
  警察当局は引き続き、クイーンズランド州北部で発生したトマト苗木への被害の原因を調査しているが、生産者は今後トマトの価格が3倍になると予想している。 
  クイーンズランド州政府は今週、6月にBowen地区で農家の灌漑用水に毒が混入し、2,350万ドル相当のトマトの苗木が被害を受けたことについて、犯人についての情報提供者に最高20万ドルの報奨金を出すことを発表した。 この毒物混入による市場の影響は今のところ見られないものの、トマト生産者は9月から10月に価格への影響が出てくると気を引き締めている。 
  SP Exports社のアンドリュウ・フィリップス社長は、「昨年9月中旬から10月までのトマトの小売価格は、供給過多もあり1キロ当たり$1.50-$2.50であった。 今年は$2.99-$3.99になるだろうが、Bowen地区での事があり、それからさらに$2から$3高くなることになる」と話した。 
  大手スーパーのコールズやウールワースに独占的にセミ・ドライ・トマトを納入している食品会社のPronto e Fresco社は、Bowen地区からトマトを仕入れており、営業・マーケティング担当取締役のサム・ディ・バージロ氏は、「トマトが品薄になるまえに、今から在庫を増やしていく」と話した。 (Source: The Australian, 07/08/10 "Tomato poisoning in north Queensland could lead to prices tripling") 
08月11日2010年 自動車と鉱山が不振で昨年度の輸出額が15%減−南オーストラリア州

  昨年度(2009年7月-2010年6月)の南オーストラリア州からの輸出額は、自動車業と鉱山業が不振で前年度より15%減少した。 昨年度の自動車業の輸出額は7億豪ドル以上、鉱山業は5億豪ドル以上減少している。 輸出先としては、南オーストラリア州から中国とインドが4.8億豪ドル以上増加した。 
  南オーストラリア州政府のトム・コウトサントニス貿易相は、「依然、南オーストラリア州は2014年までに輸出額を250億ドルにする長期的な輸出ターゲットを達成することは出来る。 アメリカ市場やEU市場の回復や、中国とインドのさらなる成長で輸出額は回復していく。 我々はいつも高いターゲットを設けている。 豪ドルの安定、自動車部門の需要の回復、今年の農作物の豊作を願っている」と語った。 (Source: ABC, 05/08/10 "Cars and mining blamed for 15pc SA exports fall")

08月11日2010年 7月の豪州の新車自動車販売台数はSUVが好調で9.3%増

  個人消費者の高い需要や SUV(多目的スポーツ車)への人気の高さから、オーストラリアの新車自動車の好調な販売の月がまだ続いている。 
  連邦自動車産業会議所(FCAI)が発表した統計によると、7月の乗用車、 SUV(多目的スポーツ車)、商用車を含めた新車自動車販売台数が8万2,376台となり、前年同月と比べて9.3%(7,043台)増加した。 
  FCAIのアンドリュウ・マッケラーCEOは、「7月は新年度の始まりの月で、通常は販売台数が落ちるのであるが、今年は好調なスタートとなった。 7月の新車自動車販売台数は、引き続き個人消費者の需要が高いことを証明するもので、前年と比べて20%増えている。 現在、自動車市場は多くの新しいモデルが販売されており、特にSUV(多目的スポーツ車)の人気が高い」と話した。 
  7月の車種別の販売台数で、SUV(多目的スポーツ車)が29%の最も高い伸びを記録し、その次は軽商用車の13.7%、乗用車の3.2%と続く。 メーカー別では、1位がトヨタの1万7,250台、2位はホールデンの1万648台、3位はフォードの7,375台、4位はフォードと1台差のマツダで7,374台となっている。  今年1月から7月までのオーストラリアの新車自動車販売台数の累計は61万3,544台となり、前年同期と比べて15.6%増えている。 (Source: FCAI, 04/08/10 "Solid new vehicle sales result in July") 

08月11日2010年 パレスチナへの人道支援の豪産ラム肉が違法にイスラエルに譲渡

  パレスチナ自治政府に食糧支援として出荷されたオーストラリア産ラム肉が、イスラエル国内に密輸され、違法に販売されていることが分かった。 
  イスラエルのメディアは、イスラエルのアラブの町Wadi Araでトラックに搭載されていたオーストラリア産ラム肉600キロが当局に押収されたと報道している。 このラム肉はオーストラリアからパレスチナ自治政府への人道支援貨物の一部であった。 西側諸国から食糧支援として送られた食肉がパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)から密かに運び出され、イスラエルに違法に販売されたことは今回が初めてではない。 イスラエル当局は、「この冷凍ラム肉は不適切な状態で輸送されており、一部が解けている。 廃棄処分するために農業大臣にこの件を引き継いだ」と語った。 (Source: ABC, 05/08/10 "Australian lamb illegally sold to Israel")

08月04日2010年 ミナミマグロ業界は以前の漁獲割り当て枠の回復に自信 − SA州
08月04日2010年 豪大手スーパーによる新しい豚肉購買基準を非難 − 豪豚肉団体

  オーストラリアの豚肉業界団体Australian Pork Limited は、大手スーパーのコールズが妊娠木枠を使用した養豚業者からの豚肉を2014年までに購入を停止するとした動きを非難している。  
  コールズは、「2014年以降、雌豚の妊娠際に妊娠木枠を使わない生産者の豚肉しか買わない」と発表した。 同団体のアンドリュウ・スペンサー会長は、「今回の決定は、オーストラリアの生産者にとってコスト負担が増えることになり、不公平なものである。 そして、これは豚肉の生肉だけに適用され、輸入のハムやベーコンなどの加工品は対象外となっている。 コールズの豚肉関連商品の総売上げの65%は加工商品が占めている」と語った。 (Source: ABC, 29/07/10 "Australian Pork Limited")

08月04日2010年 羊のミュールジング処理の申告義務化に反対 − WAFF
08月04日2010年 NSW州政府による厳格な牛肉のラベル表示を要請 − 豪牛肉協会
  オーストラリア牛肉協会(ABA : Australian Beef Association)は、「ニューサウスウェールズ州政府は、新しい食肉のラベル表示の法律について、スーパーマーケットの言いなりになっている」と指摘した。 
  同協会は、現在年をとった牛の肉を”バジェット(budget)=手頃な価格”とラベル表示していることについて、州政府に対して厳しい表示条件を求めている。 同協会のジョン・カーター理事は、「多くの消費者は、バジェットと表示さている牛肉が長時間煮る料理用の低級な牛肉であることは知らない。 当初、年をとった牛の肉を”低等級”と表示する計画であったが、それが骨抜きにされ、”エコノミー(economy)=経済的やお徳用”とされることになった。 アメリカ、カナダ、日本、韓国などはすべて消費者が理解できる牛肉の等級システムがあり、高額でも若い牛の良い肉を選んで買っている。 しかし、オーストラリアは世界から50年遅れており、バジェット牛肉からエコノミー牛肉と表示することで世の中の動きに逆行している。 消費者は馬鹿げた表示に踊らされることになる」と非難した。 
  ニューサウスウェールズ州政府のスティーブ・ワン第一産業相の広報担当は、「新しいラベル表示は来週発表する」と話した。 (Source: ABC, 31/07/10 "Beef industry wants tougher laws on meat labelling")
08月04日2010年 使用禁止の殺虫剤がNZ産果物や野菜から発見 − ニュージーランド